忘れられない夏〜君との思い出〜
「夢叶…、なにやってんだよ?もぉ、球場閉まるぞ」
後ろから、キレイな低音の声
振り向かなくてもわかった
――秀哉君だってこと。
「ねぇ、秀哉君。私ね、あなたになんて声をかけたらいいかわからないよっ…」
前を向きながらただ、呟くように言った。
「…なにも言うなよ。なにも」
――でも、言いたいことが一つだけ…
「秀哉君、お疲れ様。かっこよかったよ」
自分が思ったことを正直に言った。