とびっきり、片思い。
プロローグ*
あなたが大切にしている言葉は何ですか。
それは誰から貰ったものですか。
「つらい時は、未来の自分が今の自分を“こっちだよ”と呼んでくれているイメージをしてみて。その時、呼んでいるのは、笑顔で幸せな自分よ」と、お母さんは言った。
この春から大学生になるあたしは、きっとこれからも、この言葉を大切に歩んで行く。
大学は、地元の石川県金沢市を離れ東京で行くことにした。
生まれ育った場所以外の、もっと広い世界を見てみたいと思ったことがきっかけだった。
お母さんとお父さんは快く送り出してくれた。
“やらずに後悔するなんてあり得ない!まずは行動あるのみ”というのが、あたしが幼少の頃からの家族のモットーだ。
親の言葉には力がある。
うわべだけじゃないパワーを感じられるのは、それだけ毎日を大切に生きてきたからなのだろう。
中学2年生から大学卒業までのお母さんが生きた場所で、これからあたしは、あたし色の日常を彩っていく。
東京の品川駅に向かう新幹線の中、窓の外の移り行く景色を眺めながら、聞かせてもらった話を思い出していた。
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