とびっきり、片思い。
カメラワークに合わせるように、鼓動はドキドキと加速していった。
『むすびを譲り合ったテレビの前のキミ、おかかって超絶美味いよね!これからも沢山食べましょう』
大好きな笑顔が映し出されている画面に釘付けになった。
『こんな感じでいいんですかね?』と彼が不安げに聞くと、司会者は、『いいと思いますよ。それにしても、あなたはどれだけおかかが好きなんですか!』と突っ込みを入れた。
スタジオの豪快な笑い声が、私の耳の中でこだまする。
持っていた更新案内手続きの紙が手から落ちたことにも気づかないくらい、信じられない出来事に身体が麻痺したみたいだ。
「嘘……っ」
溢れだす気持ちが声となった直後、だんだんと、彼の顔がかすんで見えなくなっていき、涙が頬を伝った。