とびっきり、片思い。
ほぼ片足立ちの状態になりながら、「おーい。早く来てくれー」と、千田に向けて手を振った。
まもなく到着した千田は、「2人して何やってんだよ。え、お前ついに告ったの?」と口角を上げながら言った。
「は、何言ってんだよ。そんなんじゃねぇよ!」
このおかしなやり取りを聞きながら私は苦笑いした。
「友也、足が痛むのか?」
次の瞬間、スイッチが切り替わったかのように、真面目な声で聞いた千田に向けて中田は小さく頷いた。
「さっきのリレーの時か。ホントに大丈夫かよ?」
「うん。多分」
「“多分”…って。こういう時は、正直になったほうがいいぜ」
「正直だ、俺はいつでも」
意地悪っぽく笑った千田は「嘘付け!」と吐き捨てるように言った。
それから「椅子片付けてくるわ」と告げ、倉庫に入って行った。