とびっきり、片思い。





中田は坊主頭を指でかきながら、ぼそりと呟いた。



「3日後、返事を聞かせてほしい。放課後体育館裏で待ってるから」



よろしくと言い残し、教室から走って出て行ってしまった。


中田は、途中で机に足をぶつけて痛そうだった。


ただ一人取り残された教室の中で、告白されたんだという実感がじわりじわりと後からやってきた。



「未紗ちゃん…」



名前を呼ばれたからハッとして振り向いた。


そこには、帰宅したはずの森りんがいた。


「森りんどうして?」

「忘れ物取りに来たんだけど...」



そっかと納得し、私はとりあえず自分も帰り支度をしようと机のところに行った。



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