とびっきり、片思い。



その後も、告白の一件はクラス中に広まった。


そして、沢山の人から質問を受けることになった。



「あいつ、どうやって言ってきたの?」とか「付き合うの?付き合わないの?」とか…。



もうっ!!!



休憩時間は教室にいても落ち着けないから、有村さんのいる主事室に百合子と2人でこっそりと忍び込んだ。


「あー、もうわかんないよぉ」



畳スペースに座ったまま、宙に向かって叫ぶと、有村さんはクシャッとした笑顔で、青春だなぁと呟いた。


今日は、その優雅さが羨ましいです。



百合子は私の隣で、有村さんから貰ったグレープ味の飴玉を口の中で転がしながら言った。



「中田がカナタ並みに格好よかったら、未紗は即付き合っちゃうよねー」



まるで、断定しているような目付きで見てくる。




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