とびっきり、片思い。
長い一日が終わりに近づいていた。
放課後、部活前にフルートを準備していると、咲と桜ちゃんがやってきた。
咲は、いつものように言いたい放題だ。
「大変そうだな。っていうか、惚れる相手は普通は桜姫だろ~。さすが中田、女を見る目が無い」
「確かに、どうして私なんだろう?……って、本当のことかもしんないけど、ちょっと失礼じゃない?!」
「お前に失礼も何もないからな」
「咲ちゃん、未紗は可愛い女の子だよ」
桜ちゃんが、横から優しい言葉を投げかけてくれる。
「え、未紗って女の子だったの!?」
「女の子ですぅ。今まで、なんだと思ってたのよ!」
豪快に笑う咲に、心が救われているかもしれない。
「中田、根はすごくいい子だと思うよ」と、桜ちゃんは微笑みながら言った。
気持ちを受け入れたとしたら、その先は恋人同士になるんだもんね。