とびっきり、片思い。
「おはよ...」
顔を見ることはなかったが、返してくれて良かった。
それから返事をもらうまでの2日間、新垣と言葉を交わすことはなかった。
同じ空間の中ににいても、違う世界を生きているかのようだった。
意図的にそうしたと言えるのかもしれないし、自然的にそうなっていたとも考えられる。
少なくとも俺は、出来るだけ千田達といて、気を紛らわせていた。
でも、ふとした時間の隙間に、数十メートル先にいて、女子や他の男子と話している新垣の姿を見ていた。
約束通り、新垣は告白の日から3日後に体育館裏にきて返事をくれた。
薄い雲しかかかっていない、清々するほどの青空が広がっていた。
新垣は言いにくそうに「ごめん」と切り出した。
そんな暗い顔すんな。明るい表情の新垣が、俺は好きだ。
だから顔を上げてほしい。