とびっきり、片思い。



「やっぱ、そうだよなぁ。そう言われると思ってたんだ」


俺が言ったら、顔を上げたけれど固い表情を浮かべている。


だから、和らげるような言葉を必死になって探したけれど、良いのが見つからない。



「よくよく考えたら俺って馬鹿だわ。受験期に告る方が悪いよなぁ」


「…っ」


こんな発言は逆効果かもしれない。


目を伏せて困っている様子の新垣を前にして聞く。



「じゃあ、これからも今までどうりでいてくれるか?」


少し間は空いたが、しっかりと頷いてくれたのを見て、胸を撫でおろした。


知らない間に力がこもっていた全身が一気に解れていくのが分かった。



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