とびっきり、片思い。



踊り場に取り残された俺は、気になっていた袋の中身を覗く。


丁寧にラッピングされた箱を取り出し、リボンを解いてそっと開けた。


一口サイズのトリュフチョコが5つ寄り添うように真ん中に入れられていた。


辺りに誰もいないことを確認して、早速、1個を口に含んだ。


程よい甘みと、アクセントになっているラム酒の味が口に広がって、頬の筋肉が緩んだ。


「美味い」


つい洩れてしまった言葉が、静かな踊り場に響いた。


中田Side fin.



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