とびっきり、片思い。
今、絶対そういう雰囲気じゃない。
後ろの状態が気になり、チラリと振り向いてドキッとした。
さっきのガードマンみたいな女性が、部屋の前に立って、腕組みしながら私たちのことを見ていたのだ。
カナタは一人かと思いきや、いざという時に彼を守るための人たちが整体の中で待機しているのだ。
エレベーターが来て、私と母は乗り込んだ。
「ハァ…」
私の口からは大きなため息がひとつ漏れた。
向こうから見たら、得体のしれない危険人物なんだってこと、分かっている。
でも、同じ人間なのに…
こんなにも遠いんだね。
やっぱりカナタは、異星人なんだ。