とびっきり、片思い。
地主神社では、お参りをした後で、名物でもある“恋占いの石”に挑戦した。
それは、片方の石から反対側の石に目を閉じて歩き、無事にたどりつくことができると恋の願いがかなうと伝わる“願掛け”石なんだって。
一度でたどりつけば恋の成就も早く、二度三度となると恋の成就も遅れ、また人にアドバイスを受けた時には人の助けを借りて恋が成就するんだそう。
「頑張って!」
石の横からガッツポーズを向けて言ってくれる森りんに、私は大きく頷いた。
一度深呼吸をしたあとに目を閉じて、彼を思い浮かべる。
私は、何て可笑しな片思いをしているのかな。
彼への気持ちを“憧れ”の言葉だけで、片付けられたらどんなに楽だろう。
“現実を見なさい”、“その思いは、叶う可能性はほぼ無いに等しいんだから”ってこの前、母から言われた。