とびっきり、片思い。
やっぱりそうなのかなって、力を無くてしまいそうになる時があるけれど、奇跡は起こせるって信じていたい。
だから、こうして歩き続ける。
もしも彼方にこの姿を見られたら、変なやつだって思われて、笑われてしまうかもしれない。
自分の中で正しいと思う事と世間一般が正しいと思うことが違っていたとしても、譲れない思いがある。
その先に彼が待ってくれているとイメージして、進み続けた。
たどり着きたい、たどり着くんだ!
「未紗ちゃん、違う。もうちょっと右だよ!」
森りんの応援してくれている声が耳に届いた。
次の瞬間、冷たい石に指先が触れたとき、時が止まったかのように思えた。
信じられないけれど、たどり着けたんだ。
両手で石の頭を撫でた。
「やったね。おめでとう」
森りんが満面の笑みを浮かべて拍手してくれた。