とびっきり、片思い。



私のあとには、他の班の中田が現れて、挑戦していた。



多くの班が地主神社をコースに入れているようだ。




「きょえー!石、どこだ?マジでどこにあんの?!」




やたらと大きい声が、境内に響いている。


その姿を見守りながら、私と森りんは苦笑した。



「森りんもやる?」



提案すると首を振った。



「やらない。好きな人いないし」

「そっかぁ」

「うん」



森りんは頷いて、苦戦している中田に再び視線を向け、「がんばれー」って一声かけたが、その応援は虚しく終わった。



「ハァ!?妖怪はクリア出来たのに、何で俺には出来ないわけ?」




「このやろう」と石に向かって叫んでいる。


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