とびっきり、片思い。
もう、こんなところまで来てまで妖怪とか言うなあああ!と一喝したい気分だった。
だけど、この前森りんから受けたアドバイスを思い出して言葉が引っ込んだ。
「嫌なら無視したほうがいいよ。そしたら、そのうち向こうも諦めて、何も言ってこなくなると思うし」というアドバイスだ。
たしかにと頷ける。
こっちが相手にするから、向こうも面白がって言ってくるのかもしれない。
「さ、お守り見に行こうっか」
私はそう言って、何も気にしないフリをし、くるりと背中を向けて歩き出す。
森りんも恋愛成就のお守りを買っていて、それを見たら気にせずにはいられなかった。