とびっきり、片思い。



その時、彼女は真剣な面持ちで私を見つめた。


「これ、ホームシックに勝てるお守り」


差し出してくれたのは、カナタの写真がハート型のケースに入っている小さなキーホルダーだった。



目の前にあるものに驚きを隠せず、私はまばたきをしてキーホルダーと森りんを何度か交互にみた。



「これ、どうしたの?」


「お昼にお土産屋さんに寄ったときに、見つけて買ったの」


「そうだったんだ!」



今日は四六時中一緒にいたのに、買っていたことには全然気が付かなかった。



キーホルダーを受け取って触れて、すぐ近くにいる写真の中の彼を見つめた。






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