とびっきり、片思い。
朝食を終え歯磨きをしてから、少しの間キッチンの椅子に座って社会の年号暗記をしていたけれど。
何故か落ち着かなくて、足元に置いていたスクールバックを手に持って立ち上がった。
「行ってくる」
「もう行くの!?」
母は新聞から視線を上げて目を見開く。
今朝は、驚きの連続と言いたいような顔をしている。
「うん。森りんとも話したいし」
「そっか。じゃあ、気をつけてね」
「はーい」
今日は、普段より20分も早い出発だ。
こんなに心が躍っている日に、いつもの時間まで社会の年号暗記しているなんて耐えられない!
外に飛び出せば、何かとてつもなく良いことが、私を待ってくれているような気がした。