とびっきり、片思い。




1時間目と2時間目の間の休憩時間に、森りんに伝えた。



「ライブに、秋くらいに行けるかもしれないの!」


「行けると良いね」



私たちが話していると、誰かがShooting starの歌を口ずさんでいる声が教室内に響いた。



ここ、カナタの担当フレーズだよ!


なかなかの美声に、気にせずにはいられなくて、チラリと見ると、その声の主が中田だということが判明した。


うわお、まさかのね~。


「なぁ。誰か、数学の宿題写させてあげるっていう心優しい奴がいたら手あげてちょんまげ」


歌うのを止めて、そんなことを言い出す中田のことは無視し、話をもとに戻そうと、私が森りんの方を向いたのと、森りんが小さく手を挙げたのはほぼ同時だった。


「良かったら、うちのを見る?」


「そうさせてもらうわぁ。ありがとうございますぅ」



数十メートル先から、瞬間移動のようなスピードでこちらにきて、体クネらさながら、甘えたような声を出した。



< 69 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop