とびっきり、片思い。
今日の雨は止みそうもない。
学校の休憩時間に、窓に流れる雫を席に座ったまま眺めていると、百合子がやってきた。
そしてキラキラとした瞳で、バンッと机に手をつくその迫力に驚いて身体を反りそうになった。
「昨日申し込んだよ!」
ライブチケットのことだよと、百合子はニコニコ顔で続ける。
「当選するかも分からないのに、今から何着て行こうかなって悩んでるんだけど!」
「うん。たしかに悩むねー」
「どうしよう。やっぱミニスカかな」
完全に乙女になっている百合子の後ろを、中田が口笛を吹きながら通り過ぎていった。
その瞬間、桜ちゃんの言葉が蘇る。