とびっきり、片思い。
中田が私を好きって言ってたけど、あれは単なる想像だもんね。
ぐえっ、目が合ってしまった。
「ハ?妖怪、何見てんだよ」
「え、いや、別に」
そう言って視線を反らしたが、時は既に遅く、中田は大股で歩いてこちらにやってきた。
そして百合子を押しのける勢いで、机の前に立ちはだかる。
「何だよ言え」
「だから、何でもないって言ってるでしょ」
無愛想に答えた。
百合子は、急にどうしたの?と聞きたそうな顔をして、私たちを交互に見ている。
「実際、人の顔ジロジロ見てんじゃん?」
「だーかーらー…」
ジロジロは見てないでしょ。
ハァ、もうしつこいな!