とびっきり、片思い。



気分転換をしようと、家から出て近所の公園に向かった。



午後5時半を過ぎた頃の公園は、子ども達が帰り静寂を生み始めていた。


さっきまで誰かが乗っていたのだろう、ブランコが視線の先で小さく揺れる。


ベンチに座っていると、中田の姿が見えた。


自転車の前のかごと後ろに野菜が入った箱を積んでいる。



「お!妖怪ツインテールじゃん」


「今日はツインテールじゃなくてポニーテールですぅ」



少しムッとして答えた。



「ま、細かいことは気にすんな」と言いながら、自転車を止めてこちらに向かってやって来る。



「俺ら遭遇率高くね!?」


「確かにねー」



この間品川で会った辺りからだ。




「全く嬉しくねぇけどな」




コイツ、やっぱり一言余計!



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