とびっきり、片思い。
最近、全てが上手くいっていないように思えている。
私と母の間に、火花が散っているのも悲観的になってしまう原因のひとつだ。
「受験生にとってはこの夏が一番大事なんだからね。ちゃんと勉強しなさいよ」
「分かってる」
夕食の時、この会話がまた始まった。
ことあるごとに勉強とか受験とかっていうワードが母の口から出てきて、耳にタコが出来そうだ。
受け答えも面倒くさい。
「私が仕事に行っている間、行動が見えないから心配なの。テレビばっかり見てない?」だって。
こんなんじゃ、食事も美味しく味わえないよ。
「だから、ちゃんとやってるってば」
ご飯を雑に口に運んでびながら言うと、母は探る様な口調になった。
「どんな勉強法してるのか説明して。計画表もちゃんと書いた?見せて」
「計画表はちゃんと書いてやってるよ。説明は今日は無理。もうカナタが出る番組が始まっちゃうから」
21時からあるバラエティーのスペシャル番組を楽しみにしていたんだ。こんな話に邪魔されたくない。
時計を見ると、あと30分ほどで始まってしまうから急がなければならないと思い、無言でご飯を食べていると、母が箸を置いて大きな声を出す。