JUNK LAND【→】
その男は“青年”から大人の男に成長していた。
そして……、十九で逮捕されてから八度目の夏を迎えようとしていた。
梅雨の雨が何日続こうが濡れる事はない。が、クーラーのない房は湿気が強く、体はいつもベタベタする。
……しかし、それにももう慣れていた。
罪を犯し、罰を言い渡されたとして、その刑期を全うするなり処罰されるのではない。
ただ“保留”されているだけの時間は、言わば人生の隙間のようなものだ。
男はやけに早い就寝時間に眠る事が出来ず、ぼんやり窓の外を見ながら考えていた。
柵が邪魔をして、月に入る縞模様。
やがて月は窓から静かに消えて行った。