JUNK LAND【→】

途方もない長い時間に、男の少ない気力はとうに底をつき、精神は少しずつ崩壊の道に差し掛かっていた。

それは男の精神状態と心理状態が常に困惑の極限にあったからである。

弁護士との接見でまずわかっている事。

それは“確定”する択一が二つしかないと云う事である。

『死刑』か『無期懲役』かの二択に八年もの歳月を要し、そのどちらも自分の未来を闇でしか待たない。

そんな絶望しかない未来と、ただ絶望を待つだけの毎日を送る男にとって『客観的議論』そのものが意味を成さないのである。

が……その議論も男の知らない所で行われているだけ。

そこに当事者の意志である『死』への切望は反映されない。


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