JUNK LAND【→】
世論の大半は“死を持って償う”事に正論を唱え、その筆頭には被害者の夫がいた。
逆に『死刑反対派』にも確固とした理論は存在し、弁護団を擁護した。
その弁護団の代表である『重光』と云う弁護士との接見中、男は嫌と云う程聞かされた言葉があった。
「貴方の言い分や気持ちはわかりますが、もうすでに闘いは始まっているのですよ。わかりますね……。死刑を廃止させる為に、一つの事件として弁護してる訳ではないのです。」
PIERROT(道化師)。
闇の未来の為に、ただ箱の中で無意味な時を過ごすその男は、自分がすでに一個の自分でないような気になるのである。