JUNK LAND【→】
一審、二審と続いた公判においても同様であり、『有罪』の罰は“死をもって償う”と云う視点と、『有罪』ではあるが“情状酌量の余地”があると云う弁論。
しかし只一人、『有罪』=『死』と云う、価値観や考察を越えた絶対的な解答を持つ人物が居た。
被害者の夫である。
弁護士の重光は彼の心情は理解していた。
愛する妻と子供を殺害された者の憎しみは計り知れない。
それでも尚、重光の目的は被告の死刑の阻止にあった。
「悪いが今死刑の判決を下される訳には行かないのだよ……それが私の仕事であり切望する理念なのだから」