JUNK LAND【→】
その異常な欲求は心の中で確実に育ちながら、彼の中の“正常”を瞬く間に侵食して行った。
自らの欲求が他者の持つそれとは異なる事に気付いた時、同時に他者には理解し得ない“性”だと云う事も薄々分かり始める。
その頃には、もはや抑えの効かない本能は益々抑止力の垣根を越え始めていたが、“理性”ではなく“知性”がそれを隠す事を指示してもいた。
彼自身、周りの友達との些細な違いに引け目を感じていたせいもあるが、自分の欲求の先に位置するものは、法の枠の“外”にあるのだとすでに学んでいたからである。