JUNK LAND【→】
政府が実行に移そうとしていた大きな法改正には、この『母子殺害事件』は重要であった。
有効に働きかける為に様々な手段を用いた。
その一つが、優秀な弁護士である『重光』である。
裁判官を勤めた『原』と云う人間もまた首謀者の一人だった。
「これでまた次の法廷までしばらくは時間が稼げますな重光さん」
「しかし政府は怖い。まあ、私にとっては好都合ですが」
「しかし法務大臣の隣に侍る若い男……あの男は切れますな。」
「何と言いましたかな、親しげに名前を呼んでましたが……」
「確か、黒男君とか……」
「正義の塊のような目だった。いや、しかし恐ろしい」