JUNK LAND【→】
男にとっての恋愛は、性欲の処理の為でしかなかった。
本人すらも自覚していない。
すなわち、形のない“愛”を形あるものとして本物の言葉で語る事が出来るのである。
そして女はその言葉に酔わされ、本物の“愛”を捧げ、男は女の愛情に満足する。
無論、愛情表現等は本来形のない感情を更に形のないモノで示す技である。
対峙する者が“愛”を感じれば、手段は言葉であれ身体であれ間違いではない。
心理とは脆く儚く、得てして薄っぺらい紙のようなものである。
その薄い紙に巻かれて、女もまた満足する。
それが裏と表のあるものだと知らず。
男の名は“吉行”という。