JUNK LAND【→】
ちょうどその時、黒男の携帯が静かにポケットの中で震えた。
取り出した携帯のディスプレイにはサーの名が表示されていた。
「Hello……、ええ、そうですか。わかりました」
電話口からの報告は、スティッチの筋書きの中の一節であろうと黒男を思った。
「Dead men tell no tales.(死人に口なし)
クレアの遺体が発見されたよ、スティッチ……」
スティッチは満足げに頷いた。
「しかしこれで君への容疑がかかるよ。こんなの理解出来る奴なんていやしないだろう」
スティッチは黒男のその言葉に即答した。
「君がいたじゃないか。欲は果たされた。メッセージは暗号なんかじゃない。容疑をクレアに押し付けるつもりなんかはなからないさ」
そして一言、付け足した。
「容疑者は……」
黒男もそれに声を合わせるように呟いた。
「……Nightingale─ナイチンゲール─」