JUNK LAND【→】
その獣の手はシンクの中……
血しぶきで真っ赤な色をしたシンクのステンレスを爪でかきむしるウサギの首を掴んでいるのが見えた。
切り裂かれた短くなった耳にはナイフが突き刺さり、ウサギが暴れる度にガツガツとナイフの柄がシンクにぶつかり、その音だけが室内に響いていた。
驚いて振り返ったスティッチの手に握られた耳の先は、まだ赤い血を滴らせており、主を失い役割を忘れた物体と化していた。
スティッチは言った。
「やあ、ノーラ。今日も元気かい?」