JUNK LAND【→】
声も出せず、その場から逃げ出す事も出来ず、ただただノーラは入り口に立ち尽くし、スティッチの握った“耳”から目を反らせずにいた。
スティッチは静かに優しくノーラに続けた。
「自分でも驚いたよ。まさか衝動的に欲求を抑止する事が出来なくなるなんて」
ノーラの膝はわなわなと笑ったが、当の本人はその声を聞くのが精一杯であった。
「ノーラ。俺が狂っているように見えるかい?今、とても幸せな気持ちなんだ。君と云う存在が俺の窮屈な鎖を絶ったんだから……」
声は聞こえども、スティッチが何を言っているのかノーラには理解すら出来なかった。