青く、高く、潔く
「勝負は…、運。自分を信じろ…。」
頬を2回…、両手で挟むようにして…叩いて。
自分で、自分の…健闘を祈る。
『Motonari Sato~ya!!』
コールされた名前。
これまでとは、また違った…高揚感。
バックのスクリーンには、さぞカメラ慣れしてないような…、情けない顔が、映し出されているだろうけれど。
聴こえて来る歓声は……かつて、君に向けられただろうそれに似ていて。
感じる…期待と。
のし掛かった…重圧感と。
それらを、打破するようにして…、ボードを走らせた。
全米オープン。
世界のトップスケーターが一堂に会する機会は…極めて少なくて。
その中の…、1つ。
予選の得点は…90.25、グループ2位通過。
1位通過は……あの、デイビット。
決勝の舞台…2回目。
ここで…最高のパフォーマンスができなければ。
たいせーに合わせる顔がない。