青く、高く、潔く
壁の両側には……裸になった背の高い木々が…見える。
それから、日の丸を掲げた観客も…沢山いる。
1つ、エアーを繰り出すと…。
何処からともなく、ヒュウウっ!と指笛が…鳴って。
気持ちを…ハイにさせた。
出来る確信なんて…、ない。
どう構えたらいいのかなんて…、今さら、考えようもない。
けれど、今――…
板が…これだけスムーズに…滑ってくれる。
まるで…羽がついたかのように。
オーリーした身体が……ふわり、と宙に舞った。
キャブダブルフォーティー。
これまで、公式戦では経験したことのない…未知の世界が。そこに……待っていた。