青く、高く、潔く
今大会…最終競技者。
トップで予選を通過した、ヤツのお出ましに……
観客のボルテージも、最高潮に…達している。
悔しいけれど…、きっと、それだけじゃあない。
さっきの滑りに対する評価が。大いに…反映しているのだろう。
『いよいよ、シニアの部…最後の競技者…。』
場内アナウンスが…流れる。
『我々は…ずっと待っていたんだ。君がこの地に戻ってくることを…』
………?
俺の事?
おいおい、まだ一人滑ってないぞ?
読み間違えた?
そういやさっきも…。
DJ…しっかりー!
『エキセントリックな…エアーの数々。誰しも…その、羽ばたくようなライディングに、夢を見たのではないだろうか?』
「……………。」
よせやい、誉めすぎだ。
『夢は…、まだ、終わっちゃあいない。叶える為に…彼は復活の狼煙を…今、ここに上げるのだ!』
山田太郎…、ごめんな。
スタートがどんどん遅れんな…。
君の健闘を祈るよ。
『地元が誇る、天才少年の逆襲が…始まる。我々は、その第一歩の目撃者に…なろう。』
…………逆襲…?
「は?」
『紹介しよう!その名は………』
「………………。」
『Taisei Yu~ri~!!!』
「……………………。……うっそぉ…。」