青く、高く、潔く
「公式戦でもないっちゅーのに…『100点』出すなんて…。どんだけお前に甘いんだっつーの。」
皮肉交じりに…、ノアが君に…語りかける。
「そうねえ、あの日のイケメン度は、モトくんの方が上だったわね。」って…。
悪びれもない様子で…秀子さんが言う。
「たいせー……。たいせー…?」
ただ、ひたすら…君を呼ぶ、小さな少女が…いる。
あの日上げた、復活の…狼煙は。
今、天高く…昇っていく。
君が……辿り着くだろう空が。
こんなにも…青く、清々しいくらいに…晴れているから。
きっと、そっちで。
白の雲を…雪の壁にして。
どこまでも自由に…跳び続けるのだろう。
『空が…近い』って。
いつか君が言った言葉を…思い出す。
「バカやろ……。本当に掴んで…どうすんだよ。」
隣で…ぼんやりと。
涼が空へと手を翳して……
そっと……その甲に触れては。
頬に伝う涙を…拭っていた。