青く、高く、潔く


大成の部屋には。

数々の…賞状と。いくつもの…メダルと。

最期に乗った…スノーボード。

君が遺した全てが……、あの時の…青き時代の僕らを…思い出させる。



君が…、君の全てを賭けて挑んだ…ライディング。
あれが、君の…ラストランだった。


誰も…知らなかったんだ。

君を密かに苦しめていた、最大のライバルの…存在に――…。




ラストランから…1ヶ月経って。

癌の再発が…認められた。



何も知らない俺が、待てど暮らせど、公式戦にいっこうに顔を出すことのない君に――…。

どんな激励をしてやろうか、って…思った矢先。

約…半年後。


君の、突然の訃報。




信じられる訳もなく、信じる訳もなく、携帯を片手に…

君の名を検索して。



一番に出てきた記事に……

手を…震わせた。





その下には、誰が投稿したのか…
君の復帰戦の動画と、いくつもの…称賛の声とが、記事へと…載せられていた。





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