青く、高く、潔く
「大成…、大成…!」
母さんの…声が聞こえる。
「寝るなら…部屋で寝なさいよ。」
ユサユサと…身体を揺すられるけど、敢えて…目は閉じたまま。
明日は日曜だってのに…相変わらずせっかちだ。
「も―…。勉強してるのかと思えば、結局アンタは…そればっかりなんだから。」
分かってる…。
明日からは…ちゃんと勉強もする。
(多分…、だけど。)
「………あと5分したら、部屋に行くから。」
自室の…コタツの中で。
俺はまた、夢の世界へと…誘われていく。。
書きかけの…ノート。
開かれた…その上に、
カシャリ…、とシャープペンがこぼれ落ちた。
もし……
いつか。
いつになるかも…分からないけれど。
次に板に乗れる日が…来たのなら。
皆を…派手に驚かせてやろう。
それには…やっぱり、外せないだろう?
最強の…技と。
最大の…ライバル。
最愛の…人。
この……3つは。
そうだ――…
明日んなったら…、あそこに行ってみよう。
それを実現するには……、最高の場所が必要だったな。
それから。沢山の…ゲストも。
うん。リフトんとこのオッチャンならきっと…、話が分かる筈。
だけど……
今はまだ……眠いから。
それまでは、
暫く…このままで。
幸せな夢の続きを…見ていよう。
「……………。」
『たいせー、起きろよ。』
「…………………?」
『……早く…起きろ!』
………何だよ…、モト。
折角、いい夢…見てたのに。
『アホ、現実……見ろよ。もうすぐそっちに行くぞ!』
あ?
『言っとくけど、これが最後のお節介だからな。リョウが…そっちに向かってる。』
さあ――…、
カーテンを開いて。
これからそこに、一体何が…待っているのだろう。
= FIN =