青く、高く、潔く
俺と同じように昇級した大成もまた…、
綺麗な滑走だった。
粗削りな俺とは違って、コーチの教えの通りに、滑走スタイルをちゃんとモノにして。
滑らかな…滑り。
ゲレンデを我が物顔で滑っていたリョウも。
立ち止まって…大成を見るようになった。
下手くそなどとは…言わなくなった。
それが、ますます…嫌だった。
スキー教室だけではいけない、と……
親父にせがんで、ナイターにも行くようになった。
土日のスキー教室のない日も、ここを訪れた。
二人を出し抜こうと――…思ってた。
が―。
そうは…、甘くはなく。
大成はおろか、リョウまでも、同じタイミングで現れては…
練習に励んでいた。
努力なくして、向上心なくして、
上手くなるワケは…無かったのだ。
そうなれば、
ライバルと言えど…まだまだ、ケツの青すぎるガキんちょ。
結果、つるむようになって。
チビッ子暴走族の…結成。
リョウを筆頭に、ドヤ顔して…
スキー客の間を縫うようにして、滑りまくった。
結成から、解散までは…
たったの、1シーズンとちょっと。