青く、高く、潔く
男の一人が立ち上がって。
ボードの先を斜面の下へ向けて…滑り出した。
やがて、大きくジャンプすると。
細いレールの上に…飛び乗った!
「……!すっげー…!!」
そのまま、音を立てて、棒の上を滑りきると……。
今度はボックスの上も、板を横にさせて。同様に…滑った。
男達は一人ひとり次々と…トリッキーなその動きを繰り出した。
中には、途中でコースを外してケツや急所をぶつ人もいたりして。
目も当てられない痛々しさがそこにはあったけれど。
初めて見るその光景は…
衝撃的でもあった。
ペラペラと喋り倒す俺とは別に、大成はただ黙って。だけど……、明らかに目を見開いて、くぎ付けになっていることは…間違いなかった。
「俺もやっていい?」
大成はサラっとそんなことを言ったのだ!
「アレは一応ボード用だし、お前らの板では…、なあ。」
リョウの親父に一刀両断された大成は、「じゃあボードする。」と言って、
男の集団の後を追って…スキー板を滑らせた。
「ちょ…、たいせー?!」
慌ててリョウも…続いて行く。
「………。……ありゃあ…、やっちまうかもなあ。」
親父は嬉しそうに微笑んで…俺の方をチラッと見た。
「モト。お前はどーするよ?」
「………。……別に、俺は…。」
「…そうか。まあ…、少年はどこまでも大志を抱いていけばいいさ。限界を決めたら、そこがソイツの…限界だからな。」
俺は…、その言葉の意味などまだよく解らなくて。けど、奴らに遅れをとることもこの上なく嫌で。
取り敢えず…、
また、後を追うって選択肢を選ぶ他…なかったのだった。