青く、高く、潔く
一番下のリフトまで降りてくると、ロッジに掛けられた看板の文字が…
ハッキリと視界に映し出された。
俺ら3人の名前と、入賞した大会名とが…デカデカと掲げられていて。
活躍を称えていた。
それはまるで、他人事のような…不思議な感覚。
リフト乗り場のおっちゃんが、
「3人揃うなんて、久しぶりだなあ。」って、嬉しそうに…顔を綻ばせていた。
「ただいま。」
誰よりも早く、そう応えたのは…
大成。
ここは、俺たちのホームグラウンド。
どんなに景色の綺麗な山だって、
設備の整ったデカイいパークだって、
敵わない。
原点だ、って…
それを確認したかったのかも…しれない。
大成の言葉に。リョウの表情が…幾分か和らいだかのように…見えた。
何でこのタイミングで、
何で俺らを誘って、
ここに来たのか……?
大成の思惑は分からないけれど。
不振に喘ぐリョウには、絶妙なタイミングだったのかも…しれない。
「次上がったら、生トリック…、見せてよ。」
何故か上から目線で、
不器用で…キレイな笑顔を作ったんだ。