青く、高く、潔く

自分では、理解し難い自分の状況を……


大人達は、分かっていたのだろう。





勿論――…

ノアも。





ノアと話した…その、翌日。


沢山の検査が…俺を待っていた。



それだけで、気が滅入りそうだったけど……。



ノアも、秀子さんも、夏菜でさえも……「頑張れ」なんて…一言も言わず、


ただ、いつもと変わらず…笑いかけてくれるから。



幾分か、気分は和らいだ。







それから……、CVカテーテルの留置のオペを経て、(※胸の血管に直接カテーテルを埋め込み、そこから点滴で薬剤を流したり採血したりする)いよいよ…、って時に。


ノアの退院の日が…決まった。




「私を差し置いて行くなんて…、薄情だねえ。」


「秀子さん、大成に浮気者って言われますよ?」



どこまでも…、面白可笑しい二人のやり取りに。それはそれは――…笑わせて貰ったけれど。


夏菜はちょっぴり…寂しそうだった。


















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