青く、高く、潔く
大成に会うのは、いつも…冬のシーズンで。
大抵は、どこかのゲレンデだった。
お互いにニットのキャップを被って、大成のサイドの髪が、ニットの下から…ぴょん、と出ているのが…可愛くて。
見ているのが…好きだった。
キャップを取る時…、
髪をくしゃっとさせて、ますますやんちゃな見た目になるのも…、どっちの君も、とても君らしかった。
反対に―…、私は。
君の前でキャップを取るのを…躊躇った。
キャップで潰されて…、おまけに汗に濡れて。
ペシャンコ&ぐしゃぐしゃになったソレを見られることが、たまらなく……嫌だったから。
人には、イメージってモノがある。
大成が私に抱くイメージが、どんなものかは知らないけど――…
最低限は…死守したい。
だけど――…、本当は。
そんな見栄を張っている場合じゃないっては…
解ってはいるハズなんだ。
半分は…浮かれて。
半分は…、緊張で。
ちぐはぐな感情が…そこにあった。