ツンデレ彼氏をデレさせろ。
ー中学時代。
朔には、
気になっていた男の子がいた。
それが、友情なのか。
はたまた、恋情なのか。
今となってはわからない。
だけど、ぶち壊したのは、
その“侑”という人間だった。
学園祭に乱入し、
朔とカレカノ宣言し、
挙句の果てに
その仲の良かった男の子と
喧嘩暴力沙汰にまで発展。
朔は、そのことを知らなくて、
後からクラスメイトから
聞かされたのだった。
ーそれから、汐梛朔に近付けば、
お付きの男から殴られるという
噂が立ち。
男女問わず人気者の朔だったのに、
“侑”という人間の存在によって、
朔は、
男の子と関わりはなくなった。
ーそして、今回までも、
再び邪魔してきたとの話を受け、
ムカつきは返せないけど。
その話は、棗にもしたみたいだし。
ー棗が朔を守ってくれる、
と、思う。
いつか、朔は
私から離れて、
何処か遠くへ行くのかなー
なんて、思って少し寂しくなった。
「ねえ、朔。」
「なーに?爽?」
「何処にも消えないでね。」
「え、どしたのwww」
そう言って爆笑する朔。
やっぱり、言うんじゃなかった。
「何処にも、行かないよーっ!
だって、爽とは、
ずーーーっと、友だちだもん!!」
ああ、好きすぎるわ、
大好きだこの親友。