ツンデレ彼氏をデレさせろ。
「心配すんなよ、
汐梛は李斗しか見えてねーから。」
「わかってるけどっ!」
「悔しかったら、
さっさとバイクか車の免許取って
汐梛を乗せてやるんだなー。」
「バイクは、
親許してくんねーしっ!
車はまだ俺ら、
免許取れねーじゃねーかっ!!」
「それなら、我慢するんだなー。」
へへへーと笑う俺に
悔しそうに顔をしかめる李斗。
「泣いてたぞ、汐梛。」
「えっ?」
「李斗との約束が守れないって。」
「っ!!!」
「愛されてんじゃん。」
俺がニヤリと笑うと、
フン!と言って、顔をしかめて
膨れっ面な李斗。
ーこんな会話をするように
なるとはなあ。
三年前の李斗からじゃ、
想像もできない。
「良かったよ。
李斗が誰かを、
愛せるようになって。」
「…遼には、心配かけたな。」
「いや?
いつか、李斗が
過去を克服できる日が
来ると信じてたよ。
もう、後戻り、すんじゃねーよ。
今のオマエ、
俺、けっこー好きだから。」
「うわっ、男に告られるとは、
思わなかったぜ、うえーーーっ!」
「うえーっじゃねーよ!!」
とりあえず、人の気持ちも知らずに
アホなことばっかり言う
親友を殴っておいた。
ーいや、でも。
俺の気持ちは、一生知らなくて、
いいんだけどな。