ツンデレ彼氏をデレさせろ。
電話を切った俺は、
ケータイを握り締めて、
ベッドに突っ伏した。
ーもし、朔が隣にいたら、
きっと、
抱き締めて離したくなくなる。
ーいつか、
本当にいつかでいいから。
彼女を抱き締めて眠る時が来たら、
いいのに。
こんな幸せなことはないよな。
なんて、思いながら、
柄にもなくそんな幸せを夢見た。
ーそれにしても、
何てこと訊くんだ。
『李斗は、買ったの?
マグボトル………。』
言えるわけ、ねーだろ。
たまたまいいなって思った
マグボトルが、
朔と色違いのお揃いで。
ー同じ感性を持つことに
すごく嬉しかったから、
色違いのお揃いを買った、
だなんて…。
一生言いえねえよ。
ーなんて、思っていたんだけど、
数年後、同じマグボトルを
買っていたことがバレてしまう。
(そりゃ、使ってたら、
そのうちバレるんだけど。)
その代わり、
『ずっと、大事にする!!!
一生!!!!!』
ー本当に大袈裟だと思ったのに、
朔のこの言葉が現実になるなんて、
今の俺には、知る由もない。ーーー