ツンデレ彼氏をデレさせろ。



朔の悲鳴を聞いて、
少し冷静さを取り戻した俺が
朔と少し距離を取ると、
顔を真っ赤にした
彼女と目が合った。



「………李、斗………っ?」



「バカ!アホ!
早く着替えやがれ。」



慌てて朔の上から飛び退くと、
俺はベッドの
周りのカーテンを閉めた。



カーテンの前に座り込んで、
落ち込んだ。
あーあ、まずった…。
完璧にやらかした…。



あんなに、
止まらなくなるものだと、
初めて知った…。



朔の声、メッチャ可愛かったし…、
それに、触り心地、
メチャメチャ気持ち良かっ………。



男は変態って、
誰かが言ってたけど、
俺も例外じゃないみたいだ。



…とりあえず、
ふつーに朔に接するように
しなくちゃ…
ーなんて考えていたら。



ーガラガラ。



保健室の扉が開いた。



やべー!
俺は慌ててカーテンを開けて
驚く朔の口を塞いで担ぐと、
ベッドの中に潜り込み、
朔を後ろから抱き締める形で
二人で布団を被って隠れた。



「ヤバー、俺、
鍵かけ忘れてんじゃん。」



保健医の独り言が聞こえてきた。



やべえって。
マジそのまま出てってくれ!!



ーと、必死だったのだが。
朔の密着に気付いた。



コイツ、下はスカートに
履き替えたみてーだけど、
上半身、
ブラしか着けてねーじゃん!!!



ナニコレナニコレナニコレ。
綺麗な肌と、
サラサラの長い髪の毛、
あと、シャンプーか何か、
優しい香りが俺の鼻を擽る。



…ふつーに我慢限界なんだけど。



俺は、朔の声が漏れないよう
しっかりと口を塞ぎ直すと、



…かぷ。


首筋にかぶりついた。






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