ツンデレ彼氏をデレさせろ。




………保健室から出る方法を
考えなきゃな。




表は、鍵閉められたし、
窓から出るしかねーな。
窓の鍵が空いてても、
恐らくあの保健医なら、
何も気に止めねーだろ。



そう思って窓を開けると、
ここは一階だし、
余裕で外へ出れる。



ただ、窓の位置が少し高いため、
窓から外の地面との距離は少しある。



俺は余裕だけど、
朔はドジ踏みそーだな。



ーなんて、一人で考えていると。



「李斗さん、着替えましたけど…。」



顔を真っ赤にして、
モジモジしている朔が
いつも通りの制服に身を包んで
カーテンから現れた。



「………。」



罪悪感を感じてないわけじゃない。
このまま連れて帰ったら、
朔はパーティーに出れないわけで。
きっと、それは、
朔が悲しむだろう。



ーでも、俺は、やっぱり…ーーー



「朔…、」



ぎゅっと彼女を抱き締めた。



「ごめん、わかってるよ、
朔が行きたいのも、
俺の我儘だってことも。



だけど、やっぱりあの格好を
誰にも見せたくない…。



…だから…、」



ーと、言いかけて、やめた。



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