ツンデレ彼氏をデレさせろ。
「ほら、
ちゃんと受け止めてやっただろ?」
「…う、うん…。」
そう言って、
ぎゅっと腕に力を入れて
朔を抱き締めると、
遠慮がちに
抱き締め返してくる彼女。
…本当、可愛い。
このまま連れて帰りたいけど。
彼女の自由を奪いたくない。
俺はストンと
彼女を地面に下ろすと。
ーふと、彼女を見た。
ポケーっとトボけた顔で
何かと不思議そうに俺を見る朔。
「ったく。」
何だか俺の気持ちなんて、
彼女は、本当にこれっぽっちも
わかってない気がしてきて、
少し、腹が立ってきた。
その腹いせに髪を
ぐちゃぐちゃにするように
彼女の頭を撫でると。
「わわわわわ!!!
李斗っ!!何するのっ!!!」
驚いたように止めようとする。
「朔のバーカ。行くぞ。」
ーそう言って、彼女の手を引いた。