ツンデレ彼氏をデレさせろ。



「ここがいいなら、
ここでどうぞ。」



そう言って、意地悪い笑顔を
浮かべる李斗に、



「え、いや、その…っ、」



私は、動揺するしかなくなる。



しばらく、どうしたものかと
悩んでいると。



「ハイハイ。
朔は、そんな“ダイタン”なこと
できないもんね。



そこの棚の後ろで着替えて。
見えないようになってるから。」



「う、うん。」



ー言われるがまま、
魔女の衣装に着替えると。



「わー!!
可愛いーーー!!!」



胸上からレース生地が付けられて、
レースで長袖のハイネックが
作られていた。
ワンピースの丈もレースで長く
してあって、落ち着いたかんじに
なっていた。



「思ったより、
似合ってんじゃん。」



着替えた私のところにやってきて
褒めてくれる李斗。



「李斗、すっごいね!!
何でこんなことできるの!?」



「昔、裁縫も慣れとけって
強制的に
着物とか縫わされてさ。
まあ、その頃は、嫌だったけど、
役にも立つもんだな。」



「李斗って、本当
何でもできるね!
すごいね!!」



「ハイハイ、ありがと。
コレなら、
パーティー行ってきていいよ。」



「え!?
行っても、いいの!??」



「この衣装ならね。」



「十分だよ!十分すぎるよ!
嬉しい!!
ありがとう、李斗!!!」



嬉しくなって、
笑顔で御礼を言うと。



「どういたしまして。
ほら、さっさとしねーと
パーティー始まっちまうぞ。
急げよ。」



「うん!李斗、ありがとう!!」



ー私はもう一度李斗に
御礼を言うと、
パーティー会場にいる爽の元へ
向かうべく走り出した。



「転けんなよ!」



「はーいっ!!」



なんだかんだ言って、
李斗は、本当に優しい彼氏なのです。



私は、そんな彼が心の底から、
大好きなのです。



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